四度目のCISV派遣。でも今回はキッズではなくJCとして参加しました。ビレッジにキッズとして派遣されるとは訳が違うのがわかっていた僕は、両親に話を持ち掛けられたときに断ろうとしました。英語がしゃべれて当たり前の世界が広がっていることだろうと思ったからです。実際、派遣が決まってからキャンプサイトでリーダー、JC、スタッフに出会うまではそう思っていました。不安が期待を上回る感情の中で僕のキャンプはスタートしました。
いい意味で予想を裏切られる結果でした。夜遅くまで活動することが多く、体力的にも精神的にも大変でしたが密度の濃い毎日を送ることができました。何より満面の笑顔で抱きついてくるキッズはどんなエナジードリンクよりも疲れを吹き飛ばしてくれました。
不安が解消されたのは一生懸命コミュニケーションをとろうとするキッズの姿をみたときでした。いままでは英語が話せないことが恥ずかしい、いけないことだと勝手に勘違いしていました。みんなが僕のつたない英語を理解しようとしてくれているのは知っていましたし、とてもありがたかったですが、それがとても申し訳なくなっていました。しかし、英語が話せないなりにジェスチャーで伝えようと頑張っているキッズをみて、完全に話せなくたっていいと気づくことができました。「自分の英語が間違っていたら」とか「英語がうまく話せなくてダサいと思われていたら」とか考えていた自分が小さく思えました。そんなことを考えるより自分の言いたい事がしっかり伝わっているか心配するほうがいいと考えるようになりました。それからはより一層キッズと積極的にコミュニケーションをとることができるようになりました。自分を贔屓してくれるキッズも増えて純粋に嬉しかったです。
しかし辛いこともありました。英語が人よりできない僕は話を理解するのに精いっぱいになって、言いたいことができたころには次の話に進んでいて言いたいことが言えないときが多々あり、悔しい思いをしたこともありました。JCなのに頼りないと思われたくなくて、やる必要のないとわかっていても余計なお世話をしてしまうことが何度もありました。自分の理想のJCとのギャップがあり、JCとは何なのか。わからないまま日々が過ぎていき、ときには辛い夜もありました。そのたびに話を聞いてくれたスタッフには感謝してもしきれません。
キッズを経験したことのある自分だからこそ、今回JCとして過ごしたこの一カ月はただ楽しいだけでなく、たくさんのことを学んだとても貴重な時間でした。こんなに悩み考え行動した一か月間は経験したことがありませんでした。今回の経験から得ることができたご縁は宝物です。この経験を将来につなげていけたらいいなと思います。CISVに携わっていてよかったなと思えたキャンプでした。ご迷惑をかけたと思いますが、キャンプに行くにあたり、支えてくれた方々、本当にありがとうございました。
(東海支部 たろう)