
■グローバルフォーラム:
グローバルカンファレンスの第3回目が2021 年に開催される予定だったが、コロナ禍により延期されていた。今回は規模を縮小し、グローバルフォーラム(Global Forum)と名前を変えて、Governing Board、International office のスタッフ、各地域メンバーサポートコーディネーター、各国国際理事、JB の代表が中心となって開催された。
参考:グローバルカンファレンス(Global Conference)は2015 年から始まった全世界規模のCISV の集会。CISV 全体に関する会議や、プログラムおよび支部を運営していく上で参考になるような内容の研修、および話し合いが行われる。主な参加者は、各国国際理事、各支部支部長、各地域のコーディネーター、国際事務局員(International office のスタッフ)、JB の代表(日本からはSr.およびJr. NJR)で、3年に一度開催される。
■開催概要
- 日程:2024 年8 月2 日~8月6 日
- 開催国:オランダ (アイントフォーフェン)
会場はオランダ南部のアイントホーフェン郊外のフェルトホーフェンにあるNH アイントホーフェンカンファレンスセンター

・テーマ: 『Building bridges, inspiring actions(繋がりを構築し、行動を促す)』
・日本からの参加者: 3名
- 大門樹久世(国際理事)
- 矢澤豊(法律担当理事)
木村緑 (Member Support Coordinator )*
・参加費:
- NAR(国際理事)+1Observer(その他会議参加者1 人まで)
- €465 Asia Pacific 料金 (twin room/2 月29 日までに申し込んだ場合)
- *MSCは国際より補助
・スケジュール:

■General Meeting(総会)報告
以下のような決定がなされた。
Motion1
会員基準をNA, PA2, PA1 とする。 ⇨賛成多数により可決
現在の会員基準が複雑で曖昧なことから、今後は会員基準をNA, PA2, PA1 の3種類とし、それぞれの基準の詳細項目が提示され可決された。(国の体制などが原因でどうしても基準が達成できない項目に関しては国際がそれぞれの国に個別に対応するとのこと。)
Motion2
ビレッジのプログラムは23 日する。 ⇨反対多数により否決
28 日間のプログラムの開催は難しいという意見を受けて、23 日のプログラムにするという動議が提出された。直接プログラムを運営している立場の人からは 28 日の方がよいという意見や、23 日間VL と28 日間VL どちらも同じ教育効果が得られるのか、あるいは得られないのかについての検証がされたわけではないので検証してから決めるべきだ、という意見もあったが、最終的には動議は否決されビレッジは28 日間のプログラムと決められた。
Motion3
夏のYM を全て15 日間にする。⇨賛成多数により可決
この決定により、今後夏の YM は 15 日のみとなる。しかし冬は 8 日間/15 日間どちらのYM を開催することも可能。
Motion4
国際の監査法人について ⇨賛成多数により可決
Motion5
R-07 の撤回 ⇨総会の場で動議取り下げにより採決なし

■参加者感想
▶矢澤 豊(法律担当理事)
2024 年 8 月 2 日(金)から 6 日(火)まで、4泊 5 日のスケジュールで CISV の Global Forumに参加させていただきました。開催地はオランダのアイントホーフェン(Eindhoven)。私の立場は、大門国際理事と木村理事(Asia Pacific RegionMember Support Coordinator)と役付のお二方のお供で、オブザーバーでした。

私が CISV の国際会議というものに参加するのは、1992 年に日本で開催された IJBC をホストした時以来ですから、四半世紀以上の昔。かつて経験したあのペースとテンションについていけるかどうか、かなり心配でした。オランダ、アムステルダムのスキポール空港に到着し、インフォメーション・パックで指示されていたピックアップポイントに一人スーツケースを引きずって歩いていくと、そこでたむろしていた様々なグループのなかで、一見まったく共通点が無さげな老若男女、人種ごちゃまぜ集団が醸し出していた「CISV っぽさ」を発見。その時「おかえりなさい」の声が脳裏に聞こえた気がします。
コロナ禍で活動が停滞したあと、CISV 国際オフィスが今後 10 年強の CISV 発展計画をキックスタートさせる目的で開催されたのが今回のGlobal Forum。参加者は約 250 人強。参加各国協会の総意の下でのCISV全体の意思決定機関である総会(Plenary)の他に、各部会によるワークショップが開催されていました。私は日本協会での役割から主にリスクマネジメントのワークショップに参加し、CISV 国際のリスク・マネジメント・チームの考えや、方針などを聞くと共に、アメリカ地域とヨーロッパ・中東・アフリカ地域のリスク・マネジメント・コーディネーターたちや、各国協会のリスクマネジメント担当者と意見交換。それぞれのリスクマネジメントに対する姿勢、矢継ぎ早に繰り出される国際からの指示への温度差、また CISV 活動におけるリスク対応の優先順位に関する考え方などについて情報交換していました。

CISV の国際会議「あるある」ですが、各国協会代表の年齢差が印象に残りました。北米や南ヨーッパ、そしてアジアの代表は保護者世代なのですが、北ヨーロッパはジュニアからそのまま協会代表になったような若者たち。Global Forum では、今後の CISV の発展計画の策定の一環として、全大会でグループに分かれてブレインストーミングの機会があったのですが、やはり若手は「平和教育の質の向上」など理想を掲げる一方、保護者世代は「国際における予算計画の健全性」や「ガバナンスの充実」など、地味な管理者目線。

CISV 全体の方向性としては、コロナ禍を経て、国際オフィス体制・財政の立て直しという台所事情を踏まえた上で、コロナ以前の拡張フェーズから、組織としての深化、その手段としての中央集権化といったテーマが見えてきたように感じました。現実問題としてはコロナ前に導入されたトラスティー制度がうまく稼働しているように感じられず、個々の各国協会の意見をグローバルに反映させるフォーラムが失われた反面、トラスティーたちがその役割を代行しているように見られず、これがガバナンス上の機能不全をきたしているように思えました。総会で提起されたルール改正議案に対する議論がヒートアップしたことは、この現象の証左のような気がします。
いろいろな課題を抱えつつも、解決策模索へのエネルギーが、2026 年に創立75 周年を迎えるCISV を将来へ推し進める力になることに望みを見出す。そんな Global Forum 体験でした。
▶大門 樹久世(国際理事)
久しぶりに対面で世界全体のメンバーが集まる機会となりました。
前回より参加対象者が少なくなり、縮小された規模での開催となりました。が、誰に話しかけてもその国で重要な役割を担っている人たちでしたので、会議以外の場でもお互いの持っている問題や、悩みなどを共有することができ、また参考になる話を聞くことができたことは、とても有意義でした。


会議以外にセッションも行われ、参加した一つではリーダーを募集する方法が話し合われました。最後に具体的な方策として、派遣後リーダーに「リーダー修了認定書」を渡し、さらにプロの写真家に写真を撮ってもらうという実践例が紹介されました。プロにすてきな写真を撮って貰えば、リーダーたちはSNS にアップしますので、それでCISV の認知度を増やして応募に繋げようという取り組みでした。これを参考に、日本でもひとつの支部で早速リーダーに認定証を渡す取り組みが始まりました。

コロナ後初めて全ての国が集まる機会でしたが、CISV に対する熱意はコロナ前と変わっていないと感じられました。コロナ禍でわかった国際の組織的な問題、また各国においてはコロナの間に失われた人材、経験、知識などそれぞれ抱えている問題はありますが、この熱意があれば、より良い組織に成長していけるのではないかと希望を持つことができました。

2024.8.2 ‒ 6
開催国:オランダ CISV 日本協会
■ グローバルフォーラム:
グローバルカンファレンスの第3回目が2021 年に開催される予定だったが、コロナ禍により延期されていた。今回は規模を縮小し、グローバルフォーラム(Global Forum)と名前を変えて、Governing Board、International office のスタッフ、各地域メンバーサポートコーディネーター、各国国際理事、JB の代表が中心となって開催された。
参考:グローバルカンファレンス(Global Conference)は2015 年から始まった全世界規模のCISV の集会。CISV全体に関する会議や、プログラムおよび支部を運営していく上で参考になるような内容の研修、および話し合いが行われる。主な参加者は、各国国際理事、各支部支部長、各地域のコーディネーター、国際事務局員(International officeのスタッフ)、JB の代表(日本からはSr.およびJr. NJR)で、3年に一度開催される。
■開催概要
・日程:2024 年8 月2 日~8月6 日
・開催国:オランダ (アイントフォーフェン)
会場はオランダ南部のアイントホーフェン郊外のフェルトホーフェンにある NH アイントホーフェンカンファレンスセンター
・テーマ: 『Building bridges, inspiring actions(繋がりを構築し、行動を促す)』
・日本からの参加者:3名大門樹久世(国際理事)矢澤豊(法律担当理事)
木村緑 (Member Support Coordinator )*
・参加費:
NAR(国際理事)+1Observer(その他会議参加者1 人まで)
€465 Asia Pacific料金 (twin room/2 月29 日までに申し込んだ場合)
*MSC は国際より補助
・スケジュール:
■ General Meeting(総会)報告
以下のような決定がなされた。
Motion1
会員基準をNA, PA2, PA1 とする。
⇨賛成多数により可決
現在の会員基準が複雑で曖昧なことから、今後は会員基準をNA, PA2, PA1 の3種類とし、それぞれの基準の詳細項目が提示され可決された。(国の体制などが原因でどうしても基準が達成できない項目に関しては国際がそれぞれの国に個別に対応するとのこと。)
Motion2
ビレッジのプログラムは23 日する。
⇨反対多数により否決
28 日間のプログラムの開催は難しいという意見を受けて、23 日のプログラムにするという動議が提出された。直接プログラムを運営している立場の人からは28 日の方がよいという意見や、23 日間VL と28 日間VL どちらも同じ教育効果が得られるのか、あるいは得られないのかについての検証がされたわけではないので検証してから決めるべきだ、という意見もあったが、最終的には動議は否決されビレッジは28 日間のプログラムと決められた。
Motion3
夏のYM を全て15 日間にする
⇨賛成多数により可決
この決定により、今後夏のYM は 15 日のみとなる。しかし冬は 8 日間/15 日間どちらの YM を開催することも可能。
Motion4
国際の監査法人について
⇨賛成多数により可決
Motion5 R-07 の撤回
⇨総会の場で動議取り下げにより採決なし
■ 参加者感想
▶矢澤 豊(法律担当理事)
2024 年 8 月 2 日(金)から 6 日(火)まで、4泊 5 日のスケジュールで CISV の Global Forumに参加させていただきました。開催地はオランダのアイントホーフェン(Eindhoven)。私の立場は、大門国際理事と木村理事(Asia PacificRegion Member Support Coordinator)と役付のお二方のお供で、オブザーバーでした。
私が CISV の国際会議というものに参加するのは、
1992 年に日本で開催された IJBC をホストした時以来ですから、四半世紀以上の昔。かつて経験したあのペースとテンションについていけるかどうか、かなり心配でした。オランダ、アムステルダムのスキポール空港に到着し、インフォメーション・パックで指示されていたピックアップポイントに一人スーツケースを引きずって歩いていくと、そこでたむろしていた様々なグループのなかで、一見まったく共通点が無さげな老若男女、人種ごちゃまぜ集団が醸し出していた「CISV っぽさ」を発見。その時「おかえりなさい」の声が脳裏に聞こえた気がします。
コロナ禍で活動が停滞したあと、CISV 国際オフィスが今後 10 年強の CISV 発展計画をキックスタートさせる目的で開催されたのが今回の Global Forum。参加者は約250 人強。参加各国協会の総意の下でのCISV 全体の意思決定機関である総会(Plenary)の他に、各部会によるワークショップが開催されていました。私は日本協会での役割から主にリスクマネジメントのワークショップに参加し、CISV 国際のリスク・マネジ
メント・チームの考えや、方針などを聞くと共に、アメリカ地域とヨーロッパ・中東・アフリカ地域のリスク・マネジメント・コーディネーターたちや、各国協会のリスクマネジメント担当者と意見交換。それぞれのリスクマネジメントに対する姿勢、矢継ぎ早に繰り出される国際からの指示への温度差、また CISV 活動におけるリスク対応の優先順位に関する考え方などについて情報交換していました。
CISV の国際会議「あるある」ですが、各国協会代表の年齢差が印象に残りました。北米や南ヨーロッパ、そしてアジアの代表は保護者世代なのですが、北ヨーロッパはジュニアからそのまま協会代表になったような若者たち。Global Forum では、今後の CISV の発展計画の策定の一環として、全大会でグループに分かれてブレインストーミングの機会があったのですが、やはり若手は「平和教育の質の向上」など理想を掲げる一方、保護者世代は「国際における予算計画の健全性」や「ガバナンスの充実」など、地味な管理者目線。
CISV 全体の方向性としては、コロナ禍を経て、国際オフィス体制・財政の立て直しという
台所事情を踏まえた上で、コロナ以前の拡張フェーズから、組織としての深化、その手段としての中央集権化といったテーマが見えてきたように感じました。現実問題としてはコ
ロナ前に導入されたトラスティー制度がうまく稼働しているように感じられず、個々の各国協会の意見をグローバルに反映させるフォーラムが失われた反面、トラスティーたちがその役割を代行しているように見られず、これがガバナンス上の機能不全をきたしているように思えました。総会で提起されたルール改正議案に対する議論がヒートアップしたことは、この現象の証左のような気がします。
いろいろな課題を抱えつつも、解決策模索へのエネルギーが、 2026 年に創立75周年を迎えるCISV を将来へ推し進める 力になることに望みを見出す。そんな Global Forum 体験でした。
▶大門 樹久世(国際理事)
久しぶりに対面で世界全体のメンバーが集まる機会となりました。
前回より参加対象者が少なくなり、縮小された規模での開催となりました。が、誰に話しかけてもその国で重要な役割を担っている人たちでしたので、会議以外の場でもお互いの持っている問題や、悩みなどを共有することができ、また参考になる話を聞くことができたことは、とても有意義でした。
会議以外にセッションも行われ、参加した一つではリーダーを募集する方法が話し合われました。最後に具体的な方策として、派遣後リーダーに「リーダー修了認定書」を渡し、さらにプロの写真家に写真を撮ってもらうという実践例が紹介されました。プロにすてきな写真を撮って貰えば、リーダーたちはSNS にアップしますので、それでCISV の認知度を増やして応募に繋げようという取り組みでした。これを参考に、日本でもひとつの支部で早速リーダーに認定証を渡す取り組みが始まりました。
コロナ後初めて全ての国が集まる機会でしたが、CISV に対する熱意はコロナ前と変わっていないと感じられました。コロナ禍でわかった国際の組織的な問題、また各国においてはコロナの間に失われた人材、経験、知識などそれぞれ抱えている問題はありますが、この熱意があれば、より良い組織に成長していけるのではないかと希望を持つことができました。