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Chapter Development Workshop報告

2023年10月タイで開催されたCD Workshopのについて

2024年1月25日

Chapter Development Workshop 報告 2023 タイ

 

2023.10.20-24

タイ(バンコク)

 

l. 概要

● RTF (Chapter Development) 開催経緯:

通常RTF(Regional Training Forum)はAPRW(Asia Pacific Regional Workshop)の期間に APAC(Asia Pacific Annual Conference) (国の代表者が参加)と並行して開催されますので、国の代表はRTF には参加できません。今回APRW と違う期間にRTF を開催し国の代表者が集まる機会が設定されました。

コロナ禍でプログラムが開催されず、各国各支部は色々困難な状況を抱えています。それぞれの国の状況を共有し、アジア全体として今後も発展していけるように地域全体で話し合う機会を持つことが重要になっています。そこで、タイでChapter Development のフォーラムが開催されました。

● 日程:2023 年10 月20 日〜24 日

● 参加国 7 カ国 参加者 18 名

(タイ、インドネシア、インド、モンゴル、フィリピン、オーストラリア、日本)

トレーナー(Sandra Tarogo (インドネシア) /Christina Cull (オーストラリア))

● 日本からの参加者:松原郁子(関西支部理事) 大門樹久世(国際理事)

● 参加費US$330

● スケジュール

 

ll 参加者の感想と報告

関西支部 松原 郁子

▶セッション報告

Chapter Development Training に参加して

概要

第1 日目は『なせ私たちはCISV に参加したか』『どうして活動を続けているのか』について各自、CISV のホランティア活動の振り返りから始まった。CISV 活動のきっかけはリーダー、キッズ、親として参加し、CISV 活動に価値(インクルーシブ、グローバルフレンドシップ、聞く力、コミュニティに還元など)を見出して続けていることをお互いに確認し合った。コロナでボランティアやスタッフを失った現在、私たちはどのようにしてコロナ前の活動を取り戻せるかと各国の意見を聞くのは興味深かった。次に私たちはボランティア活動のライフサイクルについて自分自身にあてはめて考えた。各自ボランティアヒストリーを振り返り、Hock⇒ Orientation⇒ Intention⇒ Transition の項目にあてはめた。

2 日目はAsis-Pacific の組織図と主要メンバーについて説明があった。

CISV の4 つの理念(diversity, conflict& resolution , human right, sustainability)について再確認し た。更に各国グループで役割の内容についてどの役職が行っているかを査定した。国の状況によって様々役割分担は違うことを共有した。

Finance については1 年前の理事会でFee structure に関して改定があることを聞いたので思い出しながら拝聴した。

 

第3 日目は各国別に分かれてstrategic planning を作成した。各グループメンバーで国の CISV 活動の現状の査定をした。どの項目は達成できているか、どの項目は達成できていないか確認しあった。

最後に MSC(=メンバーサポートコーディネーター)の木村氏とボビット氏から、CISV 国際の『Streamline the Membership』の変更点について話を伺った。今までの7 カテゴリーがNA, PALevel2, PA-Level1 の3カテゴリーに変更になり、それぞれのしくみの違いについて説明して頂いた。

▶感想

・同じAsia-Pacific 地域の一員として私たちと他の参加国は共通点が多いように感じたが、各国・支部の置かれている状況はかなり違うことがみえてきた。支部を立て直す途上にあるモンゴル、国内に3 支部あるが2 支部は学校で運営していて、ムンバイ支部のみボランティア組織であるインド。主力メンバーが代替わりしてきたタイ。CISV 活動が盛んなインドネシア、フィリピン等。今まで支部中心で日本しか視野に入っていなかったが、改めて世界は広く、日本はAsia-Pacific の一部であることを実感した。

・会場に着いたらすぐに冬派遣中止が話題に挙がるものと思っていた。しかし、私たちと同じように冬派遣中止で痛手を負った国・支部がある一方で、CISV 活動の運営自体に問題を抱えている国・支部があることを痛感した。

・自分自身のCISV 歴を振り返り、なぜCISV 活動を続けているのか、話し合った際、 CISV 活動から得たもの、友情、共有、主体性、会員分担して責任を持ち協力してキャンプを作り上げる達成感等なのだと改めて感じた。ボランティアなので活動に力が入る時期や反対に遠く離れる時期もある。限りある時間と人的資源と好意のもとで、脈々とCISV活動は受け継がれている。私たちも得たものを次の世代へ伝えていくことが私たちの責務なのだと思う。

 

・近年、コロナの影響でオンライン活動がほとんどになっており、支部委員会もオンラインで本来協力関係にあるはずの会員同士の関係が希薄である。このような支部の現状を踏まえて今回のトレーニングで得たものは会員同士のあらゆる交流を再び盛んにすることは大切だと思った。またCISV の枠にとどまらず他の団体とも目的が同じであれば積極的に交流することは大切だと思う。

・それにはまずは他者を理解しよう。ボランティア以外にその人は仕事、家事、育児、介護で忙しい立場かもしれない。そのためにCISV 活動まで手がまわらないこともありうる。オンライン上の付き合いではその人の抱えていることまで理解しがたい。想像を膨らませ、より他者を理解する必要があるかもしれないと感じた。

・今回は朝から晩まで何度か休憩をはさんでディスカッションが多かった。特に第1 日目夜はJB とLocal activity について各国の状況を話し合った。JB 活動について日本は積極的に活動している国だと思うが、Mosaic、ミニキャンプのような Local Activity はまだ活動が弱い。CISV インドネシアの“Save オランウータン”のMosaic 活動の例を聞いた。社会的にも意義のある活動だし、CISV を国内外で理解してもらえるよい活動だと思った。日本でもこのような活動ができると良いと思う。

・コロナ禍で私たちは多くのボランティアを失ってしまったが、安全で快適なプログラムを開催していくためにもボランティアのマンパワーは欠かせない。

Mosaic やミニキャンプ、トレジャーハンティングのようなLocal activity の開催をして興味を持ってくれる地元団体や大人たちとの連携は必要だと感じた。

・またFee structure の改定について関西支部では昨年11 月に理事会で大門氏から報告があ った内容を支部委員会で共有してきたが、委員長が替わって認知度が低いようだ。機会があればまた説明していきたい。

・今回は国際理事の大門氏、MSC の木村氏、ボビット氏と旧知の方々がいらして拙い英語力の私を温かくフォローしてくださって、どうにかトレーニングを終了することができた。上記の皆様をはじめ派遣してくださった日本協会の皆様に改めて感謝申し上げたい。このような機会があれば、また関西支部から派遣者を送りAsia-Pacific の他国の様子も知って頂きたいと願う。

 

国際理事 大門 樹久世

▶セッション報告

Fee Structure セッション

背景:

これまで CISV 国際の収入は、プログラムに参加する時に各国が支払うプログラムフィーが主だった。しかしコロナ禍でプログラムが開催されなくなるとほぼ収入がなくなり、CISV の運営ができなくなった。(コロナ前にFee Structure の見直しを検討し始めていたが、タイミング悪くコロナが襲い、CISV 国際の収入がほとんどなくなった。) そのため、会費とプログラムフィーのバランスを検討しプログラムフィーの割合を減らし、会費の割合を増やし、プログラムが開催されなくても一定の収入が保てるように変更した。

Fee Structure:

以下の表のように CISV 国際の収入はプログラムフィー(International Programme Fees)と会費

(Membership Fees)で構成されているが、その割合を数年かけて変えていく。各国、各支部に急な負担にならないように段階的な変更となっている。

1) NA/PA fee: 過去5 年間の参加者の平均数で決められる費用

2) Individual Membership fee: 過去5 年間の参加者の平均数に年度ごとに決まった金額をかけて計算される費用

3) 過去5年間に自国で開催したプログラムに参加した人数から過去5年間に自国から派遣した人数を引いてプラスになれば、(つまり、開催したプログラムに参加した人数の方が多ければ)その割合に応じて支払い金額が減額される。

 

Membershipのセッション

背景:

各国は National Association(NA) と National Association になるための準備期間の Promotional Association(PA)分類されている。これまでは、それぞれが細分化され、合計7つに分類されていた。しかし、その基準は明確ではなかった。

Membership:

PA はPA1, PA2 に分けられ、NA、PA1、PA2 の3つの区分になり、基準も明確化された。 各国は毎年評価を受け、基準に満たなければ、NA であっても PA になる可能性がある。(ただ、いきなりそうなるのではなく、一定期間が設けられるので、その間に基準に合うように修正することができる。)

▶感想

今回冬派遣全面中止連絡後のタイミングだったので、各国が派遣中止で大変困った、というような現場の声を共有する機会になると思いましたが、冬派遣に関係していたのは、インド、タイ、日本だけでしたので、どう対応したかなど全体で話す機会がなかったのは残念でした。しかし、コロナ後の各国、各支部の状況は、コロナ以前まで引き継いでいたノウハウや、知識が中断してしまい、コロナ前の状態には戻っていないという点や、三年間派遣がなかったために、運営の人材不足など、どの国も共通した悩みを持っていることを再認識しました。また、今いる人材のモチベーションを高めるためにはどうしたらよいか、各国が持っている問題点を今後どのように解決していけばよいかなど、じっくり考える機会があり、またその発表を聞くことで、方向性を見出すことができた点は良い機会になったと思います。なにより、同じ目的を持った仲間と会って話し合いができたことは、私自身のゆらいでいた CISVに対する思いが少し元に戻ったように感じています。