トントン
日本協会ニュース第6号(2013年12月)
2013年Tomodachi Village@KANSAI
国際スタッフ
11歳で参加したビレッジでのアクシデントを教えてください。
私は生まれつき脳動静脈奇形(AVM)と呼ばれる病気を患っていました。ちょうどキャンプインの前夜、ホストファミリーの家でピアノを弾いていたときに激しい頭痛に襲われました。何とか部屋まで薬を取りに戻って、飲むことができたことを覚えています。しかしそれから気を失いました。今でもストレッチャーに乗せられて救急車で運ばれたことを覚えています。そして起きたとき病院にいました。
CISVで何を学びましたか?
まわりの人と協力することを学びました。さらには、グループで一緒に活動することがどんなことかも。今回の関西ビレッジでは、私たちスタッフは一致団結して活動できました。もちろん時には意見の不一致もありましたが、私たちはうまく歩み寄って解決しました。このことはCISVでとても大切なことです。
国際スタッフとして参加した今回のビレッジはどうでしたか?
CISVのキャンプに参加するために日本に戻ってきてどんな気分ですか?
とてもいい体験でした。CISVは私をずっと会っていなかった家族のように歓迎してくれました。そして私のこと、私のビレッジでの話を知っている人の多さにビックリしました。日本でのスタッフ経験で視野がさらに広くなったと思います。また今回のビレッジで他人と一緒にやっていくための忍耐力、意見の対立を解決する方法を身に着けることができました。何よりも、生涯の友を作れたことが大きかったです。
あなたにとってCISVは?
CISVのおかげで世界中に友人を作ることが出来ました。そのおかげで世界がもっと狭く感じられるようになりました。また、テーマを元にしたキャンプやアクティビティーを通じてCISVは国際協力を発展させるための第一歩目の役割を果たしていると考えています。
CISV Japanにメッセージをください。
私の人生に二度目のチャンスをくれた場所として、いつも身近に感じてきましたし、これからもずっと特別な存在であるでしょう。CISV Japan、特に関西支部に、このビレッジを運営することにあたって、あらゆる面でサポートしていただいたことのお礼を言いたいです。支部の皆さんがオープンデイのお手伝いをしてくれた時に、関西支部の情熱を心から感じました。皆さんが全力で取り組んでくださいました。また日本に戻ってきて、どんな形であれ、できることからお手伝いできたらと思っています。
トントン インサイドストーリー
1988年、トントンが11歳で関西支部のビレッジに参加したときのことです。ビレッジが始まる直前のホームステイ中に、『トントンが激しい頭痛で苦しんでいる』という連絡がありました。病院で診察を受けると、すぐに手術をしなければいけないということがわかりました。
トントンのお母さんの日本到着までは、リーダー・ホストファミリーが交代でトントンに付き添いました。お母さんの到着後も、引き続きホストファミリーと他の会員がお母さんにも手厚いケアをしてくださいました。
トントンがキャンプに来たのは、最終日。医師の許可をもらって、2~3時間ほどの滞在でした。車いす姿でしたが、他の子供たちも大歓迎。少しだけアクティビティーもしました。ちょうど朝日放送の取材が入っていて、ニュースでその様子が流れました。
当時の旅行保険ではカバーしきれないほどの高額な医療費だったので、支部の歓迎会、JAM(当時はソーラートライアルという名前)で寄付を募りました。多くの会員の皆様からのご協力をいただきました。
25年たちましたが、もう一度お礼申し上げます。
『ありがとうございました。』
1988年の関西ビレッジのディレクター 楠本 昌代(関西支部)



