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ALL YOU NEED IS LOVE ユースキャンプを終えて

八木香保里(ユースキャンプディレクター)

2021年9月21日

 

こんにちは、ユースキャンプディレクターの八木かおりです。はじめに、新型コロナウイルス感染拡大に伴い約2年間CISVの国際活動が困難となった中、今回のオンラインキャンプにご尽力頂いたCISVの皆様・参加してくれたユースのみんな・大変な状況の中、支えて下さったご家族の皆様に心より御礼を申し上げます。私は元々2020年の日本大会のディレクターをする予定でした。キャンプスタッフ未経験ではありましたが、11歳からのCISV愛を胸に夢を膨らませて準備を進めていた矢先、緊急事態宣言が発令され日本大会は中止となりました。CISVに20年以上所属していますが過去に派遣が全面的に中止となったのは2001年の同時多発テロの時だけです(私の弟がタイのビレッジに行く予定でした)。キャンプ中止が発表されたと同時期に派遣予定だった子供達もショックを受けていると聞き、CISV関係者の中で国内キャンプの案が持ち上がりました。

 

『どんな状況であっても子供達の平和に対する想いを絶やしてはいけない』

 

国内キャンプ発案から1年以上が経ち、オンラインに形を変えて、日本大会スタッフ経験者のようすけ・まよ・こうすけに加え、ミャンマー出身のケイ(Zoomでの授業経験者)という心強いスタッフと共に2日間のユースキャンプを行いました。『SDGs』をテーマに自分たちの身の回りのSDGsや、国内や世界で起こっている問題について宿題を発表したり、アクトを通して幅広く話し合いました。(例えば学校での服装は『私服』と『制服』どちらがいいか?という問いには『私服だとジェンダーや個性を尊重できる』『制服だとみんな同じ服を着るから貧富の差が出ない』などが答えとして出ました)

 

キャンプの集大成となるBIG ACTではSDGs17番目の『パートナーシップで目標を達成しよう』を裏テーマにキャンプオリジナルのアクトをしました。ユース達には各国の条件、ゴールを伏せた状態で先進国、新興国、発展途上国に分かれてもらい、国を豊かにする政策・貿易・国交に見立てたアクションカードを選んで、政策を進めていってもらうカードゲームです。アクト中盤、皆真剣にカードを選んでいくのですが、最初の条件が不平等なので、画面上にはSDGsが達成しきれていない世界の縮図が完成してしまいます。(スタッフの思惑通り。笑)

 

スタッフ達の中で『いい感じ、次で世界会議を開くぞ』というタイミングで、先進国のユースから『世界のみんなと話し合いたいです』と意見がありました。他のユースからも『世界会議を開いてほしい』『このままじゃ世界がよくならない』と声が上がりました。私としてはめちゃくちゃ感動して泣きそうなのと、まさか徹夜で絞り出して考えたシナリオを先読みされるという予想外の状況にニヤニヤが止まりませんでした。やはり子供達の考える平和は無限大です。ユース達はシナリオではなく、自分たちの力で世界会議を開きました。

 

このキャンプを通じて私たちが伝えたかった事は、まさに『愛こそすべて』です。お互いがお互いを思いやり、支え合うことができれば、もっと平和やSDGsを実現することに繋がっていくと思います。完璧な国など一つもなく、各国の良さを生かして地球規模のゴールを地球民全員で目指す。だから完璧にならなくていいよ。自分らしく、自分にできることを。そうユースのみんなにもお伝えしました。

 

一人一人が自分の得意な部分を持ち寄って集まれば百万馬力になります。このコロナ禍でたくさんの障害がある中、CISVでの平和活動ができたのは皆さんのおかげです。対面はまだまだ時間がかかりそうですが、いつかみんなで手を繋いでCISVソングが歌えることを願っています。ありがとうございました。