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セミナーキャンプ参加報告「挑戦」

(2018年7月28日~8月17日、リスボン)

2020年10月3日

 ポルトガルの首都リスボンから特急列車で1時間、小さな町の農業学校でのセミナーキャンプだった。アクティビティルームに飾られた闘牛の頭になぞらえ、Bull's Head Seminarと名付けられたセミナーは、私にとって間違いなく一生忘れることの出来ない3週間となった。

 そもそもセミナーキャンプでは、スケジュール作りから掃除洗濯、料理作りまで全て参加者自身が行う。つまり、参加者次第でキャンプの内容が180度変わるキャンプなので、私自身どのようにキャンプに貢献出来るのかをキャンプインの前に考えていた。そのため私以外の参加者全員がヨーロッパの言語を話すという環境の中で、しっかりと日本人としての日本や私の意見を伝えなければいけないという責任も少し感じつつ、初めの数日を過ごした。しかし、自分たちでアクティビティを作るようになると、アクティビティの目的とは何かということをより深く考えるようになり、ただ単に既に持っている知識を伝えるだけでは何の意味もないということに気付かされた。このキャンプは、自分の持っている考えが他者の意見にチャレンジされる場所なのだ。例えば、あるアクティビティで死刑制度の話になった時、私の既成概念をもう一度考え直させられることになった。つまり、ここは意見を交換する場所ではなく、アクティビティのトピックのみならず自分自身について学ぶ機会でもあるのだ。

 このキャンプでの経験は参加者全員にとって衝撃的で、しかしとても興味深いものばかりだった。気がつけば真夜中を過ぎるまでアクティビティが続いていたことも珍しくなく、そんな濃い時間を共に過ごした仲間たちが掛け替えのないない存在になるのに時間はかからず、キャンプ終了間際には悲しみと共に大きな虚しさを体感した。そして、毎回キャンプの後に考えるのは「このキャンプをどう次に生かすのか」ということだ。これから新しく始まる大学生活、またその先の長い人生に、ここで得た様々な財産を存分に生かしていきたいと強く感じている。

 この素晴らしい機会に携わってくださった全ての皆様に感謝して、セミナーキャンプの報告とさせていただきます。

関東支部 まあさ(CISVネーム)