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インタビュー ミッタさん

自分を育ててくれたもの

2012年7月3日

御手洗瑞子

CISV日本協会ニュース第4号(2012年7月)

『自分を育ててくれたもの』

ブータン国首相フェローを務めた御手洗瑞子さん

CISV歴を教えてください。

1996年にポルトガルのビレッジに参加しました。その後2000年にドイツのサマーキャンプに参加者として、2005年に日本で開催されたサマーキャンプにジュニアスタッフとして参加しました。2007年には念願のリーダーとして、ブラジルのビレッジに行ってきました。また国内でJBやLTCとして活動していました。

CISVにかかわるようになったのはどうしてですか?

小学生のころ、ある日母に連れられてビレッジの説明会に行ったのがきっかけでした。「外国に行けるんだ~」と漠然と理解し、「そんな夏休みもいいかも。」と感じていたように思います。

CISVで最も心に残る思い出は?

ビレッジで初めての友達ができたときのこと、アクティビティで大はしゃぎしたこと、あの時友達に言われたあの一言…。いろんな思い出がありますが、CISVの思い出といわれて真っ先に頭に浮かぶのは、ドイツのミュンヘン郊外のだだっ広い草原です。15歳の時に参加したサマーキャンプのサイトが、草原の真ん中にあって。悩むことも考えさせられることも多かったキャンプですが、悶々としながら、仲間たちとその草原をどこまでもどこまでも歩いていた、そんなシーンをふと思い出します。

CISVをきっかけに自分が変わったなと思ったことはありますか?それはなんですか?

たくさんありますが…。あえて言うなら、「柔軟さ」と「芯」を作ってもらったのかもしれません。CISVでは毎回本当に様々な価値観を持った人たちの中にポーンと身を置くので、その中で暮らしていくのに必要な柔軟さ・しなやかさみたいなものと、どこに行ってもぶれない・動じない自分の心の中の芯のようなものと、その両方を育ててもらったように思います。「どこに行っても大丈夫」と思える感覚は、CISVのおかげだと思います。

ブータンのことを紹介してください。CISVの経験が役に立ちましたか?

私は昨秋までブータンという国で首相フェロー(首相の重要課題に取り組む行政官)として働いていました。ブータンというと、GNH(国民総幸福)を国の指針としていることで知られていますが、それだけでなく、ブータンの人、ひとりひとりの「幸せ力」がとっても強いんです。特に、何かネガティブなことが起こった時のとらえ方、気持ちの処理の仕方が日本人とはとても違います。とてもユニークな国で「ザ・異文化」という感じですが、もしCISVを体験していなくて「自分とは違う価値観・文化がある」ということを実感することなく育ってきていたら、ブータンで働くのはきっと、ずっと大変だったろうなぁと思います。

(ブータンについて詳しくは、『ブータン、これでいいのだ』(新潮社)という本にまとめさせていただきました。拙著で恐縮ですが、もしブータンにご興味ある方がいらっしゃればご覧になってみてください。)

CISVはあなたにとって、一言で表すとしたらなんでしょう?

自分を育ててくれたもの。

日本のCISV会員にメッセージをいただけますか?

CISVでの経験は、私の宝物ですし、今の自分を作ってくれたものです。本当に本当に感謝しています。これからも、こんな素晴らしい経験をたくさんの子供たちができますように!